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2025.09.18

エンディングノートの書き方と活用法|自分らしい人生の最終章を準備するために

 

はじめに

近年、「エンディングノート」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
エンディングノートとは、人生の最終章に備えて「自分の思いや希望、財産、医療・介護に関する意思」などを記録するノートのことです。遺言書のような法的拘束力はありませんが、本人の希望を家族に伝える大切なツールとして注目されています。

本記事では、エンディングノートの役割や書き方、実際の活用法について詳しく解説します。


エンディングノートとは?

エンディングノートは、自分の人生を振り返りながら「もしものとき」に備えて情報を整理するためのノートです。
記載内容は人それぞれですが、主に以下のような項目が含まれます。

  • 個人情報(名前、生年月日、住所など)

  • 家族や親戚の連絡先

  • 資産や保険の情報

  • 医療や介護の希望

  • 葬儀やお墓に関する希望

  • デジタルアカウントの管理方法

  • 家族や友人へのメッセージ

「自分の意思を残す」だけでなく、「家族が困らないように準備する」という目的もあります。


エンディングノートを書く目的

1. 家族の負担を軽減する

突然の入院や死去により、家族は多くの判断を迫られます。延命治療の可否や葬儀の形式、相続に関する手続きなど、短期間で決めなければならないことは山ほどあります。エンディングノートに意思を記しておけば、家族は迷うことなく判断でき、精神的負担を大きく減らせます。

2. 自分の思いを形に残せる

自分が望む医療や葬儀の形を明確にしておくことで、「自分らしい最期」を実現できます。また、家族や友人への感謝の言葉を残すこともできます。

3. 相続や財産管理のトラブル防止

預金や不動産、保険、年金などの情報を整理しておけば、相続時のトラブルを防ぐことができます。特に複数の金融機関を利用している場合、情報を一覧化しておくことは非常に重要です。


エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと混同されやすいのが「遺言書」です。両者の違いを整理しましょう。

項目 エンディングノート 遺言書
法的効力 なし あり
内容 医療、介護、葬儀、思い出など自由に書ける 財産分与、相続に関する内容が中心
書き方 自由形式、書き直しやすい 厳格な形式が必要(自筆、公正証書など)
主な目的 想いを伝える・情報整理 財産分与の意思を残す

つまり、エンディングノートは「人生の総まとめメモ」、遺言書は「財産の法的指示書」と言えます。両方を併用することで、より安心した終活が可能です。


エンディングノートの主な書き方・項目

1. 自分の基本情報

  • 氏名、生年月日、住所

  • 本籍地、マイナンバー

  • 血液型、持病、かかりつけ医

2. 家族・親戚・友人の連絡先

  • 緊急時に連絡してほしい人

  • 親しい友人や恩師の情報

3. 財産・保険・年金

  • 銀行口座、証券口座

  • 不動産の権利書の場所

  • 生命保険、年金手帳

4. 医療・介護に関する希望

  • 延命治療の可否

  • 在宅介護か施設介護か

  • 尊厳死宣言やリビングウィル

5. 葬儀・お墓について

  • 葬儀の形式(家族葬・一般葬・直葬など)

  • お墓をどうするか(既存のお墓、樹木葬、海洋散骨など)

  • 葬儀費用の支払い方法

6. デジタル遺品の管理

  • SNSアカウントのログイン情報

  • サブスク契約やメールアドレス

  • 写真やデータの保存場所

7. メッセージ欄

  • 家族への感謝の言葉

  • 子どもや孫へのアドバイス

  • 過去の思い出や人生の振り返り


書くときのポイント

  1. 完璧を目指さない
     最初から全てを埋める必要はありません。思いついたところから始めましょう。

  2. 鉛筆や消せるペンで書く
     状況が変わったら書き直せるようにしておくと便利です。

  3. 定期的に見直す
     保険や資産は変化します。1〜2年ごとに見直しを。

  4. 家族に存在を知らせておく
     どんなに丁寧に書いても、家族がノートの存在を知らなければ意味がありません。保管場所を伝えておきましょう。


エンディングノートの入手方法

  • 書店や通販で販売されている専用ノートを購入

  • 自治体や銀行で無料配布される場合もある

  • PDFのテンプレートをダウンロードして自作

市販のものは項目が整理されていて書きやすく、初心者におすすめです。


エンディングノートを活用するメリット

  1. 安心感が得られる
     自分の希望を残すことで、不安が和らぎます。

  2. 家族の絆が深まる
     ノートをきっかけに家族と将来について話し合えます。

  3. 人生の棚卸しができる
     これまでの人生を振り返り、これからをどう生きたいか見直せます。


よくある疑問Q&A

Q1. エンディングノートは若い世代でも必要?
A. 必要です。交通事故や病気は年齢に関係なく突然訪れる可能性があります。

Q2. 書いた内容に間違いがあったらどうする?
A. 何度でも書き直せます。気軽に更新しましょう。

Q3. 遺言書の代わりになる?
A. 代わりにはなりません。財産分与を確実にしたい場合は遺言書も作成してください。


まとめ

エンディングノートは、法的拘束力はないものの「家族に安心を残し、自分の思いを伝える」ために非常に有効なツールです。
人生を振り返りながら、自分の希望を整理し、必要な情報を残すことで、家族の負担を軽減できます。

今日からできる第一歩は、ノートを用意して「連絡先」「医療の希望」「財産のリスト」など簡単な項目を書き始めることです。

エンディングノートを書くことは、「死の準備」ではなく「これからをよりよく生きるための活動」です。未来に安心を残すために、ぜひ今日から始めてみてください。

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