2025.03.02
# 終活で見直したい、家族との絆を深める方法
人生の終わりを見据える「終活」。この言葉を聞くと、遺品整理や相続の手続きなど、どちらかというと事務的なイメージが先行してしまいがちです。しかし、本来の終活とは、残された時間をより豊かに過ごし、大切な人との関係を再構築する貴重な機会でもあります。
## 終活は人生の棚卸しから始まる
終活を始める多くの方が気づくことは、物の整理だけでなく、人間関係の整理も同時に行うということ。特に家族との関係は、長い年月の中で様々な感情が積み重なり、時には距離ができてしまうこともあります。
ある80代の方は「終活を始めたことで、疎遠だった息子家族と再び連絡を取るようになった」と語ります。遺品整理を手伝ってもらったことがきっかけで会話が増え、今では月に一度の食事会が恒例になったそうです。
## 家族との絆を深めるための具体的な方法
自分の人生を振り返り、紙に書き残すことは、家族にとって何よりの贈り物になります。生まれた時代の話、若かりし頃の恋愛や仕事の苦労、子育ての思い出など、普段なかなか話さないことを書き記しましょう。
文章が苦手な方は、音声録音という方法も。スマートフォンの録音機能を使えば簡単に残せます。家族と一緒に昔の写真を見ながら録音すれば、自然と会話が弾むでしょう。
万が一のときのための「もしもノート」。財産や保険の情報だけでなく、自分の希望する医療や介護の方針、葬儀の希望なども記入します。これを家族と一緒に作成することで、重要な話題についても自然と対話ができるようになります。
「親の希望を知れて安心した」「親の考えを尊重したい」など、家族の側も前向きな気持ちで関われるケースが多いです。
家族で旅行した思い出の場所や、自分の故郷などを再訪するのも、絆を深める良い機会です。場所には記憶が刻まれています。「この海で子どもに泳ぎを教えたんだよ」「この通りで初デートをしたんだ」など、その場所ならではの話が自然と出てくるものです。
物理的に訪問が難しい場合は、Googleマップのストリートビューで「バーチャル旅行」を楽しむのも一案です。
月に一度など、定期的に家族が集まる機会を設けましょう。議題は終活に限らず、日常の些細なことでも構いません。大切なのは、意見を言い合える場を作ることです。
オンラインツールを活用すれば、遠方に住む家族とも顔を見ながら話せます。ZoomやLINEのビデオ通話など、使いやすいものを選びましょう。
大切にしていた品々を、生前に家族や親しい人に贈るという方法もあります。物を通じて想いを伝えることで、より深い絆が生まれます。
「母が大切にしていた食器をもらった時、料理をもっと頑張ろうと思った」「父の蔵書を受け継いで、新たな本棚を作りました」など、受け取った側も新たな物語を紡ぎ始めます。
## 終活から始まる新しい家族の形
終活は「終わり」に向けた活動ではなく、残された時間をより豊かにするための「始まり」でもあります。家族との関係を見つめ直し、新たな絆を紡ぐ機会として捉えてみませんか。
横浜市で終活セミナーを主催する終活カウンセラーの方によれば、「終活をきっかけに家族関係が改善したという声は非常に多い」とのこと。一方で「今からでも遅くない、でも早すぎることもない」とも語ります。
今日から、あなたの終活を家族との絆を深める旅として始めてみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、家族にとっての大きな宝物になるかもしれません。